
世界中で製造業が直面している大きな課題の一つに、熟練労働者の不足。特にアメリカでは、この「スキルギャップ」により、2030年までに約210万人の労働者が不足すると予測されている。*1 しかし、期待されているデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みは、必ずしも効果を発揮しているとは言えない状況。現場の労働者の中には、デジタルツールが自分たちのニーズに合わない、あるいは使いにくいと感じる人がいる。また、一部の人々は、これらのツールが最終的に自分たちの仕事を奪うのではないかと不安を抱いており、それが導入の遅れに影響している様子。
では、どうすればデジタルツールを現場の労働者にもっと受け入れてもらえるのでしょうか? 導入教育や、研修をより効率的に進めるために、使えるのでしょうか?さらに重要なのは、生産性の向上だけでなく、労働者のウェルビーイングを高めるようなデジタルツールをどのように設計できるかという点です。
今回の対談では、製造及び消費者事業をHitachi Digital Services社で担当されている、Vignesh MARKANDAN氏、デジタル戦略およびM&AをHitachi Industrial Holdings America社で担当されているMike LASHBROOK氏を招き、Hitachi America社R&D部門で産業用ソリューションを担当しているWei YUAN氏が登壇し、デジタルソリューションを「人間中心」に進化させることで、労働力不足の課題をどのように緩和し、現場でのデジタルツールの採用を促進するかについて、具体的な事例を交えて語ります。
*1 Deloitte and The Manufacturing Institute, “Creating Pathways for Tomorrow’s Workforce Today: Beyond Reskilling in Manufacturing”