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冷却水の流量と温度の制御により、発電出力を運転期間の制約なしにいつでも調整可能とし、電力系統の安定化に貢献

日立GEニュークリア・エナジー(以下、日立GE)が開発する革新軽水炉HI-ABWR (Highly Innovative ABWR)*1は負荷追従運転*2(図1) により、再生可能エネルギーの発電比率が増えた場合の電力系統安定化を図ります。沸騰水型原子炉*3では炉心内に水と蒸気が流れており、蒸気が形成する気泡量により核反応を制御しています。気泡量は冷却水流量で調整でき、発電出力100%の内30%程度(火力発電所1基相当)を調整できます。しかし、従来の沸騰水型原子炉では、運転末期に核燃料が少なくなるため、発電出力を調整できる量が小さくなる課題がありました。日立は、原子炉の安全性を維持*4しながら、冷却水温度を下げることにより核反応を促進する制御技術を開発しました(図2)。これらの技術を組み合わせると、運転期間の制約なしに、負荷追従運転が可能となります。
今後も日立は日立GEと連携し、電力系統の安定化を図るHI-ABWRの実現を通じて電力の安定供給に貢献します。

画像: 図1 原子力発電の負荷追従運転例 (HI-ABWRパンフレットより転載)

図1 原子力発電の負荷追従運転例
(HI-ABWRパンフレットより転載)

画像: 図2 運転初期と末期における核反応制御技術

図2 運転初期と末期における核反応制御技術

*1 革新軽水炉Highly Innovative ABWR(HI-ABWR):
https://www.hitachi-hgne.co.jp/activities/advanced_reactor/hi_abwr/pdf/brochure_hi-abwr.pdf
*2 負荷追従運転: 需要家の電力消費量が変動するため、負荷変動に対応した電気出力調整運転を発電所で行うこと
*3 沸騰水型原子炉: 軽水炉のうち、原子炉内で冷却水を沸騰させ、発生した蒸気をそのままタービンに送る炉型
*4 安全性を維持: 認可された出力内(上限100%)での運転

照会先

株式会社日立製作所 研究開発グループ

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