株式会社日立製作所(以下、日立)と、株式会社日立パワーソリューションズ(以下、日立パワーソリューションズ)は、半導体ウェハ接合部の欠陥を自動検出する超音波検査技術に関する特許(特許第6546826号)で、公益社団法人発明協会主催による令和5年度(2023年度)の全国発明表彰「日本経済団体連合会会長賞」を受賞しました。科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ顕著な実施効果を上げている発明として評価されたものです。
2023年6月12日に開催された表彰式で、発明者ならびに法人代表として日立パワーソリューションズ 取締役社長 安藤次男が表彰を受けました。
「全国発明表彰」の概要
全国発明表彰は、日本における発明、考案または意匠の創作者ならびに発明の実施および奨励に関し、功績のあった研究者・科学者を顕彰することにより、科学技術の向上および産業の発展に寄与することを目的として1919年に創設されました。
半導体ウェハ接合部の欠陥を自動検出する「超音波検査技術」の概要
電子部品の製造現場では、信頼性確保のため、接合部の欠陥の超音波検査が必要不可欠です。一方、回路パターンは微細化と、ウェハを積層して実装する3次元化が急速に進み、検査装置には、より微小な欠陥をウェハの状態で検出する性能が求められています。
今回受賞した超音波検査技術は、半導体ウェハ内に同一品種のチップが複数形成されることを利用し、ウェハ接合面の超音波画像から、統計処理に基づき、直径10µm程度の欠陥を自動かつ高感度で検出する技術です。製造公差内で変動する回路パターンの形状ばらつきと分離して微小な欠陥を検出するとともに、ウェハ接合面の欠陥発生分布の可視化が可能です。
これにより、不具合プロセスを特定し、プロセス条件の改善を迅速に行うことが可能となり、電子部品の安定供給に貢献しています。
受賞の概要
発明の名称 | 動的統計しきい値を用いた半導体接合欠陥の高感度超音波検査装置の発明(特許第6546826号) | |
発明者 | 株式会社日立製作所 | 酒井 薫 |
元・株式会社日立パワーソリューションズ | 菊池 修 | |
株式会社日立パワーソリューションズ | 佐原 健司 | |
発明実施功績賞 | 株式会社日立パワーソリューションズ 取締役社長 | 安藤 次男 |
関連情報
- 本技術を搭載した超音波映像装置「WAFER LINE」に関するウェブサイト
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