お客さまとの協創による設備管理最適化により、安定した電力供給の実現をめざす

日立は、送配電設備の信頼性を維持しながら、効率的に設備の寿命延伸や更新を進めるために、信頼性中心保全(RCM)*1の手法を用いた、新しい設備保全計画策定支援技術を開発しました。本技術は、信頼性分析に必要なデータが不足している場合でも、エンジニアの経験や知識を活用して将来の故障リスクの定量化を支援します。今後、日立は、送配電網の整備計画を検討している国内外のお客さまとの協創によって設備管理の最適化を進め、安定した電力供給の実現に貢献していきます(図1)。

画像: 図1 送配電事業領域のお客さまと設備メーカーとの協創によるRCM推進 (オペレーターとメーカーの連携により、設備の信頼性向上とコスト目標を達成する保全プログラムを開発可能)

図1 送配電事業領域のお客さまと設備メーカーとの協創によるRCM推進
(オペレーターとメーカーの連携により、設備の信頼性向上とコスト目標を達成する保全プログラムを開発可能)

近年、AIの普及によるデータセンター建設や再生可能エネルギーの利用増加に伴い、送配電網の整備が急務とされています。その中で、送配電事業に携わる企業は、信頼性を維持しながら効率的に設備の寿命延伸や更新を進める必要があります。RCMは設備の故障リスクを評価する標準的な手法ですが、実施には多大な工数とデータ収集が必要とされていました。

日立は、長年の設備製造と運用支援で得た知識に基づき、送配電設備での利用に適合したRCM手法を開発しました。本手法では、信頼性分析に必要なデジタルデータが不足している設備でも、RCMガイドラインに基づいたお客さまとの協創により、エンジニアの経験や知識を活用して設備・保全・IoTを最適化するとともに、将来の故障リスクを定量化します。

具体例として、高経年化した変電設備に対し本手法を適用し、評価を行いました。その結果、従来の保全計画とレトロフィットIoT*2などの設備更新を行った場合の故障リスクを定量的に比較できることを確認しました。本技術により、送配電設備の信頼性を維持しながら、効率的な保全・更新が可能となり、レベニューキャップ制度*3への対応にも貢献します。

なお、本技術の一部は、2024年08月25日~30日にパリで開催されているCIGRE (国際大電力システム会議) Paris Session 2024で発表しました。

*1: Reliability Centered Maintenance;設備やシステムの信頼性を最大化するために、効果的な保全戦略を策定する手法。信頼性が最重要となる飛行機の保全を目的として誕生。
*2: 既存の設備に最新の機器や監視システムを搭載して機能・性能を向上させること。
*3: 設備投資とコスト効率化の両立を目指し2023年度から導入された料金制度。

照会先

株式会社日立製作所 研究開発グループ

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