日立オープンラボ横浜に導入し、お客さまとの協創を加速

日立は、運行管理や車両管理などの複数の鉄道業務システムの計画連携技術を構築し、複数業務を考慮したKPI*1をお客さまの実データを用いて迅速に算出・評価して、業務改善を支援することが可能なソリューション評価シミュレーターを開発しました。列車内の混雑がより少なく快適に移動でき、かつ車両検査コストも低く抑えられるようなダイヤ改正の立案支援など、お客さまの業務改善や新サービス創生に役立てることができます。本シミュレーターを、2019年4月より、日立オープンラボ横浜*2の交通アナリティクスラボに導入し、お客さまとの協創に活用します。今後、日立は、連携可能な業務や交通手段を拡大し、交通事業者の業務改善やMaaS (Mobility as a Service)*3基盤への拡大を推進していきます。

画像: 鉄道ソリューション評価シミュレーターの概要

鉄道ソリューション評価シミュレーターの概要

背景および取り組んだ課題

  • 近年、鉄道事業者には、列車の定時運行に加え、乗客の利便性や快適性の向上、安全を確保するための最適な運用・保守計画などを考慮した運行計画の立案が求められている。
  • 現状、運行管理や車両管理などの業務ごとにシステムが運用されており、単一の鉄道業務のシミュレーションはできても、複数業務にまたがったシミュレーションは困難。

開発した技術

  • 業務システムの計画連携技術を構築し、複数の鉄道業務システムを繋いでKPIを算出・評価し、業務改善を支援するソリューション評価シミュレーターを開発

開発した技術の詳細

鉄道業務の共通モデルを介して連携・シミュレーションする計画連携技術を開発しました。共通モデルを介することによって、複数の異なる業務システム間で必要なデータを受け渡しながら、各システムの制約条件が満たされるように協調動作させて、その影響や評価指標を確認することができるようになります。
日立は今回、お客さまのダイヤデータ、車両運用データ、ODデータ*4を入力として、運行管理システム、車両運用計画システム、車両割当計画システム、列車混雑可視化システムを連携し、ダイヤ変更時の車両検査コスト、列車混雑率をKPI算出評価システムに出力可能な、ソリューション評価シミュレーターを開発しました。ダイヤの列車本数を増減させた時に、これらの評価指標がどう変化するかを見える化できることを確認しました。

*1 KPI(Key Performance Indicator):設定した目標の達成度合いを定量的に測定する重要業績評価指標。
*2 顧客協創のプロセスの一部であるプロトタイピング(試作)・価値検証をお客さまやパートナーとともに行い、オープンイノベーションを実現するために横浜研究所に開設し、2016年12月から運用開始したオープンラボ。
ニュースリリース 「日立の最新技術を活用しお客さまと共同でプロトタイピングを行うオープンラボを開設」
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/11/1130.html
*3 MaaS (Mobility as a Service):カー・ライドシェア、公共交通など複数の交通事業者を横断的に連結し、単一交通のように提供、マルチモーダル交通を実現するサービス。
*4 OD(Origin-Destination)データ:発駅と着駅の組み合わせごとの利用客数を集計したデータ。

照会先

株式会社日立製作所 研究開発グループ
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