ニュースリリース概要
敗血症患者に有効な抗菌薬をATP発光技術で迅速に選択
日立製作所研究開発グループは、富山大学と共同で以下のニュースリリースを発行しました。
国立大学法人富山大学、株式会社日立製作所
![画像: ニュースリリース概要](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783695/rc/2024/02/20/0ba68a1de0635ea2278de87cf3d7e942a0be1018_large.jpg#lz:orig)
富山大学大学院医学薬学研究部 仁井見英樹准教授の研究グループと日立は、敗血症患者に有効な抗菌薬の迅速選択が可能な新たな技術として、血液培養陽性検体から原因菌以外のATPを消去する簡便な前処理技術、高速なATP発光計測技術、および機械学習を用いた感受性判定技術を開発しました。今回、富山大学の患者血液検体と63種類の大腸菌株を使い、新規技術を用いた検査フローを検証しました。
その結果、採血から感受性検査の結果が出るまでに従来は3日以上かかっていましたが、本検査法では1日程度に迅速化できることを確認しました。これにより、敗血症に対し適切な抗菌薬の投与を早期に開始できるため、救命率の向上につながるほか、入院日数や投薬期間の短縮による医療費の抑制、および抗菌薬の乱用による薬剤耐性菌の蔓延防止が期待されます。
今後、富山大学と日立は、対象菌種および対象抗菌薬を拡大するとともに、複数施設と連携し、臨床検体を用いて、その有用性の検証を進めることで、人々のQOL(Quality of Life)向上に貢献していきます。